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Macの企業向けセキュリティを解説!ハードウェア/ソフトウェア両面における役割とは

企業が新しいPCを導入する際、セキュリティについて考えることは最も重要な要素の一つです。

Macは、ハードウェアとソフトウェアの両面で高度なセキュリティ機能を実現し、企業の情報保護に貢献します。

本記事では、Macのセキュリティがどのように機能するのかを、具体的な例を交えながら分かりやすく説明し、企業が安心してMacを導入できる理由を解説します。

Macのハードウェアセキュリティ

T2セキュリティチップ、セキュアエンクレーブ、ハードウェアベースの暗号化など、Macには多くの高度なハードウェアセキュリティ機能があります。

以下からは、こうした機能がどのように動作し、どのように企業のデータを保護するのかについて詳しく見ていきましょう。

T2セキュリティチップ

T2セキュリティチップは、Appleが独自に開発したセキュリティ用の部品。Macのセキュリティを強化するために設計されています。

このチップは、暗号化されたストレージ(データ保存領域)、セキュアブート(安全な起動を行うシステム)、およびシステム全体のセキュリティ機能を管理します。

T2セキュリティチップは、ハードウェアベースの暗号化エンジン(コンピュータの内部でデータの安全を確保するための仕組み)を備えていることが特徴。データの暗号化とその復元を迅速に行います。これでユーザーのデータは不正アクセスから守られます。

特にこうした機能は、企業の機密データや顧客情報を保護するために重要です。

セキュアエンクレーブ

セキュアエンクレーブは、T2セキュリティチップ内にある領域で、以下の機能により、暗号化キーや生体認証データなどの機密情報を安全に保管します。

  • 機密情報の保護:セキュアエンクレーブは、暗号化キーや生体認証データ(Touch IDやFace IDのデータなど)を保管します。こうしたデータはセキュアエンクレーブ内に保存され、安全のためにシステムの他の部分から隔離されています。
  • データの隔離と保護:Touch IDやFace IDの認証データは、セキュアエンクレーブ内でのみ処理され、システムの他の部分からアクセスできません。つまり、攻撃者がこうした情報にアクセスすることは困難になります。
  • 安全な認証プロセス:認証プロセス(指紋や顔の認証)はセキュアエンクレーブ内で行われ、その結果のみがシステムに届きます。このため、認証データそのものがシステムに流出することはありません。

エンクレーブは、暗号化キーを保護することで、デバイス全体のセキュリティを確保します。暗号化されたデータにアクセスするためのキーが物理的に隔離されているため、外部からの攻撃や改ざんを防げるのです。

ハードウェアベースの暗号化

ハードウェアベースの暗号化(コンピュータの内部でデータの安全を確保するための暗号化)は、Macのデータセキュリティの重要な部分です。

T2セキュリティチップは、ファイルの読み書きの際にデータをリアルタイムで暗号化し、ストレージ全体のセキュリティを保ちます。これで、データが盗まれても暗号化されたままとなり、解読されにくくなるのです。

Macのソフトウェアセキュリティ

Gatekeeper、XProtect、FileVaultというソフトウェアをはじめとして、Macには多くのセキュリティ機能があります。

ここからは、各機能の機能の役割と利点を見ていきながら、Macのソフトウェアセキュリティについての理解を深めましょう。

Gatekeeper

Gatekeeperは、macOSに組み込まれたセキュリティ機能。ユーザーがダウンロードしたアプリの信頼性をチェックします。

Appleの開発者署名システムを利用して、未知の開発者からのアプリが実行されないようにします。これによって、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)や不正なソフトウェアのインストールを防ぎ、システムを守るのです。

企業にとって、信頼性の低いソフトウェアのインストールリスクが減ることはメリット。特に、従業員が誤って危険なソフトウェアをインストールするリスクを減らします。

XProtect

XProtectは、macOSに内蔵されたアンチマルウェアシステム。既知のマルウェアからシステムを守ります。

Appleが定期的に更新するマルウェア定義データベース(マルウェアの情報をまとめたもの)をXProtectが使用して、新たな脅威に対応します。

XProtectはバックグラウンドで動作し、ユーザーが何も操作しなくてもシステムを保護します。これで企業は最新の脅威から自動的に守られ、セキュリティ管理がスムーズになります。最新のセキュリティ脅威に対しても自動的に対応できるため、常に安全な環境を保てるのです。

FileVault

FileVaultは、macOSのディスク暗号化機能。システムドライブ全体を暗号化し、不正アクセスからデータを守ります。

FileVaultはAES-256暗号化アルゴリズム(データを強力に暗号化する方法)を使用しており、高いレベルのセキュリティを実現。ユーザーのパスワードを使用してデータを復号化(元に戻すこと)するため、紛失や盗難時にもデータが安全に保護されます。

企業にとって、機密データの漏洩リスクを大幅に減少させる施策は重要です。特に、持ち運びが多いノートパソコンでの利用において、FileVaultの効果は大きいです。

企業向けセキュリティ機能

管理とデプロイメント、Apple Business Manager、統合ログインとシングルサインオンといった機能をはじめとして、Macには多くの企業向けセキュリティ機能があります。

以下からは、こうしたMacの企業向けセキュリティ機能それぞれの役割とメリットなど詳しく見ていきましょう。

管理とデプロイメント

企業向けのMac管理とデプロイメント(新システムの導入やセットアップ)は、AppleのDevice Enrollment Program(DEP)を通じて簡単に行えます。

DEPを使うと、新しいMacを自動的に企業の管理下に置き、設定や規則をリモートで適用できるのです。つまりIT部門は大量のMacを迅速かつ効率的に導入でき、コストを削減できます。

また、各デバイスの一貫した設定とセキュリティ基準(ポリシー)を保つことも可能。自動設定により、手間をかけずに一貫したセキュリティ基準を適用できます。

Apple Business Manager

Apple Business Managerは、企業がApple製品を一元管理できるツールです。

デバイス管理、アプリの配布、コンテンツ管理を一つのプラットフォームで行えます。これで企業はすべてのAppleデバイスを効率的に運用できるのです。

特に大規模な企業にとって、全デバイスをまとめて管理することはセキュリティの一貫性と効率を高める重要な手段。Apple Business Managerにより、すべてのデバイスが最新のセキュリティアップデートを受け取ることができます。

統合ログインとシングルサインオン

統合ログインは、企業内の複数のシステムやサービスに対して、1つのIDとパスワードでアクセスできるようにする仕組みです。従業員は複数の異なる認証情報を覚える必要がなく、管理者は一元的にアクセス権限を管理できるのです。

シングルサインオン(SSO)は、一度ログインするだけで、企業内のすべてのシステムやサービスにアクセスできる技術。ユーザーは1回のログインで複数のアプリケーションやサービスを利用でき、利便性が向上します。

また、管理者はセキュリティポリシーを統一して管理しやすくなります。たとえば、AppleのSSOソリューションは、企業の社員名簿やアクセス管理システムと連携し、認証手続きを簡単にします。従業員は複数のパスワードを覚える必要がなくなり、IT管理者もユーザーアクセスを一括して管理できます。

セキュリティ対策の実例

ここからは、これまでに解説したMacのセキュリティについて、実際に企業がMacのセキュリティ機能を取り入れたらどのようになるかを考えてみましょう。

以下からは、金融業界、医療業界、教育機関で想定されるセキュリティ使用例を見ていきます。

金融業界

金融業界では、Macの高度なセキュリティ機能がデータ保護に役立つと考えられます。

たとえば、全社員にMacBookを支給し、T2セキュリティチップとFileVaultによるデータ暗号化を活用することで、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えられるでしょう。

金融業界は特にデータの保護が重要であり、Macのセキュリティ機能はこの要求を満たすことが期待できます。たとえば、重要な取引情報や顧客データを扱う際に、T2セキュリティチップによる暗号化と生体認証を組み合わせることで、外部からの攻撃や内部の不正行為からデータを守ることができるのです。

医療業界

医療業界でも、Macのセキュリティ機能は重要な役割を果たすでしょう。

患者データの保護を強化するためにMacを導入し、セキュアエンクレーブとXProtectを活用することで、患者情報の安全性を確保し、不正アクセスを防止できます。

医療データの漏洩は個人情報に直結する深刻な問題であり、Macのセキュリティ機能はその防止に貢献するでしょう。

教育機関

教育機関では、学生や教職員のデータ保護が重要です。

たとえば、全ての教職員にMacを配布し、Apple Business Managerを使用して一元管理することで、デバイスのセキュリティ設定を統一し、情報漏洩などのリスクを低減できます。教育機関は特に多くの未成年の個人情報を扱うため、セキュリティは不可欠です。

まとめ

この記事では、Macのセキュリティについて、ハードウェアとソフトウェアの観点から詳しく説明しました。

Macは、T2セキュリティチップやセキュアエンクレーブなどのハードウェア機能、そしてGatekeeperやFileVaultといったソフトウェア機能を備えており、企業が安心して使用できる高度なセキュリティ環境を持っています。こうした機能により、機密情報の保護、デバイス管理の効率化、情報漏えいなどセキュリティ上の事故防止が実現できます。

企業がMacを導入する際、セキュリティは重要な要素です。特に、金融業界、医療業界、教育機関などの分野では、Macのセキュリティ機能が大いに役立ちます。

たとえば、金融業界では社員全員にMacBookを支給し、T2チップとFileVaultでデータを暗号化することで、機密情報の漏洩防止を。医療業界では、患者データを保護するためにセキュアエンクレーブとXProtectの使用を。教育機関では、学生や教職員のデータ保護を強化するためにApple Business Managerを利用すれば、デバイスの一元管理も実現できます。

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WEPLOY代表  茂木 優貴
茂木 優貴

エンジニア畑出身の代表

目標は<人生を可能な限りストレスフリーにする>こと。コスト面も含めて、常に利用者の立場に立ち、皆さまに最適なサービスを提供できるよう取り組んでまいります。

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