Macで同時に複数のアプリを使ったり、重いソフトを使ったりする場合、メモリの増設は重要です。
Macのメモリ増設によって、パソコンの動作がどのように速くなるのか気になる場面は増えつつあります。近年では文字生成だけでなく、画像やより重いファイルである動画などを取り扱う生成AIなどが誕生するなど「重い」ソフトウェアやアプリケーションの利用がますます一般的になっています。
メモリが増えることで、こうした高度なアプリケーションがスムーズに動作し、作業効率が向上します。たとえば、動画編集ソフトを使っているときや、複数のブラウザタブを開きながら大きなスプレッドシートを操作しているときでも、メモリ不足による遅延などを防ぐことができるのです。
本記事では、Macのメモリ増設がどのようなメリットをもたらすのか、その具体的な効果について詳しく見ていきましょう。
メモリとはなんだろう？
まず、メモリの基本的な役割や重要性について説明します。以下からはメモリがどのように働き、CPUとどのように連携するかを見ていきましょう。
メモリの基本機能
メモリはコンピュータの一時的なデータ保存場所として働きます。
アプリやシステムが動くためには、必要な情報を一時的に保存しなければなりません。必要なデータが手元に保存できるからプログラムが速く動き、複数の作業を同時に行うことができるのです。
こうしたマルチ作業としてたとえば、複数のブラウザタブを開けたり、アプリをすぐに立ち上げたり、作業中のデータを一時的に保存するなどが挙げられます。
メモリとCPUの関係
CPUは、コンピュータの頭脳として計算や命令を実行します。メモリが増えると、CPUが直接アクセスできるデータ量が増え、処理が速くなります。するとアプリが速く反応し、コンピュータ全体の動きがスムーズになるのです。このように、メモリとCPUはお互いに助け合う関係にあります。
Macのメモリの進化
Macにおいて、メモリはどのように進化したのでしょうか。ここからは、過去と現在のMacPCの性能比較や、Macの最新CPUであるApple Siliconの影響などを見つつ、Macのメモリ進化について詳しく解説します。
過去と現在のメモリ性能比較
Macのメモリ性能は年々向上しており、最新モデルでは高速かつ大容量のメモリが搭載されています。
たとえば、初期のMacでは4GBや8GBが一般的でしたが、現在では16GB、32GB、さらには64GB以上のオプション（購入時に選択できる容量のこと）も存在します。
こうしたスペック向上により、最新Macでは複雑な作業やマルチタスキングがよりスムーズに行えるようになりました。たとえば、動画編集やゲーム開発など、重い作業を同時にこなすことができます。
Apple Siliconの影響
Apple Silicon（M1、M2チップなど）も、メモリのパフォーマンスに影響しています。Apple Siliconは、CPU、GPU、メモリを一体化した設計を採用しており、データ転送速度が大幅に向上しています。一体化の効果により、アプリケーションの起動時間が短縮されるなど、全体的な反応の速さや効率が良くなりました。たとえば、アプリの切り替えが速くなり、大きなファイルを扱う作業でもスムーズに行えるのです。
メモリを増設するメリットとは？
メモリを増設することで、パソコンの動作が改善されることがわかりました。
メモリ増設の具体的なメリットは以下の通りです。
- 複数の作業の効率化
- 重いアプリの動作改善
- パソコン全体の安定性向上
- ストレージの負担軽減
それぞれ、どのように改善されるのかを詳しく見ながら、メモリ増設の利点を理解していきましょう。
複数の作業の効率化
メモリが増えることで、複数のアプリを同時に使うときでも素早く動きます。
いくつかの作業でも同時に進められるので、結果的に効率が上がるのです。
たとえば、ブラウザを開きながらワードで文章を書いたり、スプレッドシートでデータを整理したり、グラフィックソフトで画像を編集したりなどを同時進行した上で、さらに娯楽の目的で高品質なムービー再生などを行っても、PC全体がスムーズに動くのです。
重いアプリの動作改善
グラフィックデザインやビデオ編集など、多くのデータを使うアプリを動かすとき、メモリを増やすと便利です。
メモリが豊富にあると、高画質の画像やビデオを扱うときの動きが快適になり、作業がスムーズに進みます。たとえば、デザインや動画編集の作業がストレスなく行えるのです。
パソコン全体の安定性向上
メモリが増えると、パソコン全体の動きが安定します。
メモリが足りないと、同時多発的にアプリを動かすと、アプリが止まったり、パソコンが動かなくなったりすることがありますが、メモリが充分にあると、そういった問題が減るのです。
特に、長時間アプリを使い続けるときや、大量のデータを扱うときに、この恩恵が実感しやすいでしょう。
ストレージの負担軽減
メモリが増えると、パソコンのストレージ（データを保存する場所）への負担が減ります。
メモリが少ないと、ストレージを使って一時的にデータを保存（仮想メモリ化）しますが、メモリが多いとその必要がなくなり、ストレージへの負担が軽くなるのです。
メモリが多いと、データが上記のようなストレージ上ではなく実際のメモリ内で処理されます。つまりストレージへの書き込み回数が軽減され、全体的なパフォーマンスが向上するのです。
その結果、パソコン全体の動きが速くなり、SSD（ストレージの一種）の寿命も延びます。
Macのメモリ増設で得られる効果とは？
実際のメモリ増設によるPC活用例を見てみましょう。各具体例を紹介するので、メモリ増設によって具体的にどんな効果が得られるのか、自分の想定するケースにも当てはまるかどうか確かめてみてください。
プログラマーの例
プログラマーは、多くの開発ツールや仮想マシンを同時に使用することが多いです。
メモリを増設することで、IDE、デバッガ、ブラウザ、ドキュメントなどを同時に開き、スムーズに作業を進めることができます。つまり、開発効率が大幅に向上するのです。
映像編集者の例
映像編集者は、大きなビデオファイルを扱うため、大きなメモリ容量が必要です。
メモリを増やすことで、複数の高画質ビデオを同時に編集し、エフェクトやトランジションなど特殊効果をスムーズに追加することができます。動画の処理時間も短くなり、作業の効率が上がります。
ゲーム開発者の例
ゲーム開発者は、複雑なグラフィックや3Dモデルのような動きのある重いファイルを多数扱うため、多くのメモリが必要です。
メモリを増やすことで、大規模なゲーム開発であっても効率よく管理し、動作テストや修正をスムーズに行うことができます。つまり、結果的に開発のスピードが上がり、リリースを早めることも可能となります。
科学者・研究者の例
科学者や研究者は、多くのデータや実験結果を分析します。
メモリを増やすことで、データの処理が速くなり、複雑な計算や大量のデータを迅速に分析することができます。これで、研究結果を早く得ることも可能になるのです。
メモリ増設の注意点
メモリ増設を考える際には、いくつか注意すべき点があります。
以下からは、メモリ増設についてのコスト、互換性、取り付け方法について詳しく見ていきましょう。
コストと費用対効果に注意しよう
メモリ自体、安い買い物ではないため、メモリ増設には費用がかかりますが、メモリのために出す費用が効果に見合うかどうかを考えることが重要です。
高性能なメモリは、長期間にわたってパソコンの動きを良くし、作業を効率的に進めることに役立ちますが、予算に合った選択をすることが大切です。
無理をして高価なメモリを買うよりも、自分が求める作業に合うかどうか、高性能かつ高価なメモリを持て余してしまわないかなど、コストパフォーマンスを重視した選択をしましょう。
互換性を確認しよう
メモリを増設する際には、パソコンとの互換性を確認する必要があります。
モデルによって使えるメモリが異なるため、事前に自分のPCがどのメモリに対応しているかを確認しましょう。
対応していないメモリを購入してしまうと、せっかくの投資が無駄になってしまいます。正しいメモリを選ぶことが重要です。
取り付け方法と注意点
メモリの取り付けは慎重に行う必要があります。
まずは静電気によるダメージを防ぐために、静電気対策をしっかりと行いましょう。
適切な手順に従って取り付けることで、メモリ増設におけるトラブルを防ぐことができます。
メモリの取り付けが難しいと感じる場合は、自分だけで無理をせず、専門のサービスを利用することを検討してください。
PC自体を壊してしまうというようなアクシデントを避け、安全かつ確実にメモリを増設するためには、あらかじめプロの手を借りることがトータルで見て安上がりになることもあります。
まとめ
この記事では、Macのメモリ増設がどのようにシステムの動きを良くするかについて解説しました。
メモリを増やすことで、同時に複数の作業がしやすくなり、重いアプリの動きが良くなり、パソコン全体が安定し、ストレージの負担が軽くなるなど、多くのメリットがあります。
特に、プログラマー、映像編集者、ゲーム開発者、科学者や研究者など、多くの専門職の方々にとってメモリ増設の恩恵があるといえます。
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