iPhoneやiPadに搭載され、顔をかざすだけで簡単にロック解除ができる「Face ID」(顔認証)は、多くのAppleユーザーにとって利便性の面で欠かせない機能となっています。
しかし、Macにはまだ顔認証機能が搭載されていません。
過去、AppleのストアアプリでFace IDのアイコンがMacBook Proに表示されたことがありました。
この出来事を「MacへのFace ID導入の予兆」と見る向きもあるようですが、単なる誤記だった可能性もあります。
現在(2024年11月)、指紋認証の「Touch ID」は一部のMacBookで利用可能ですが、顔認証がMacに導入されればさらに利便性が高まり、セキュリティ面も強化されるのではないでしょうか。
この記事では、Macへの顔認証導入が検討されるのかどうかの背景や、実際に導入を想定した場合のメリットと技術的課題、今後の可能性などについて詳しく解説します。
も く じ
ToggleなぜFace IDはMacに搭載されていないのか?
まず、iPhoneやiPadにFace IDが搭載されているのに、Macにはまだ顔認証がない理由を考えましょう。
この背景には、Macとモバイルデバイスの利用環境や内部構造の違いが関係しています。
【理由1】Macは携帯性が低いから
iPhoneやiPadはなんといっても携帯性に特化したデバイス。手で持ちながら操作することが多いため、画面に顔を近づけて認証を行うことが自然です。
一方で、Macはデスクトップやノート型のコンピューターとして、デスクに据えて使う場面が多く、画面との距離が離れていることが一般的です。
この距離には、ユーザーごとに差があると考えられます。こうした距離の差は顔認証の認識精度に影響を及ぼすため、スマホやタブレットと同様に使うのは技術的に難しいもの。
さらに、顔認証の精度には周囲の明るさや角度が影響するため、Macではその使用環境に応じた柔軟な対応が必要です。
たとえば、iPhoneは手で持ちながら適切な角度で操作できるため、明るさが必要であればすぐに移動するなどして認証がスムーズにできますが、Macは固定されたさまざまな環境で使われることが多く、認証の安定性を確保するためには技術的な工夫が不可欠です。
こうした要素が、MacへのFace ID搭載を遅らせる一因と考えられます。
【理由2】顔認証カメラが組み込みづらいから
MacにFace IDを搭載するには、TrueDepthカメラ(立体的に顔を認識するカメラ)や赤外線センサーなど、顔認証に必要な特殊なハードウェアをディスプレイに組み込む必要があります。
しかし、こうした技術を搭載することでMacのデザインやサイズが変わってしまう可能性があり、特に薄型のMacBookではディスプレイ部分の厚みが増す懸念があります。
Appleは製品の美しさと機能性を両立させることにこだわりを持っているため、デザインと顔認証のバランスを取るには、まだ課題が多いことでしょう。
Macに顔認証が導入された場合のメリット
顔認証がMacに搭載されると、ユーザーにとってどのような利便性やメリットがあるのでしょうか?
ここからは、顔認証によるメリットを多角的に見ていきましょう。
高速ロック解除
最も大きなメリットは、ロック解除のスピードが格段に速くなることです。
Macを開いたと同時に、画面の前に座るだけで自動的に顔認証が作動し、デスクトップにアクセスできるようになるため、毎回パスワードを入力したりTouch IDを使う手間が省けます。
特に仕事や作業の効率化を重視するユーザーにとっては、時間短縮の面で大きなメリットとなります。
顔認証が実現すれば、パスワードを忘れた場合や手がふさがっている時でも、スムーズにログインできるため、日常的な操作が快適になり、QOL向上も期待できるでしょう。
セキュリティ強化
仮にMacにFace IDが導入された場合、Face IDは顔の特徴を3Dで詳細に解析し、高精度な認証を行うため、簡単には突破されません。
たとえば、他人が写真や映像を使ってログインを試みても認証されないよう設計されています。
また、Face IDは顔の立体構造を読み取るため、双子であっても認証はかなり困難です。
このように、顔認証技術は精密であり、導入できればMacのセキュリティレベルを底上げできるといえます。
Touch IDとの連携
もしMacに顔認証が搭載されたら、すでに今ある指紋認証(Touch ID)と組み合わせて、より安全に使えるようになるかもしれません。
顔認証は顔をカメラに向けるだけ、指紋認証は指を軽く触れるだけで認証ができる便利な機能です。
両認証を一緒に使うことで、「二段階認証」という方法ができるようになり、安全性が高まります。
たとえば、最初に顔認証で本人確認をして、その後に指紋認証でさらに確認をするという仕組みです。
このような方法なら、万が一誰かにパソコンが渡ってしまっても、不正に使われる心配が減ります。
特に、仕事で大事なデータを扱う方や、プライバシーを大切にしたい方にとって、安心できる仕組みです。
顔認証導入の前には技術的な課題やコスト面での壁がある!
顔認証をMacに導入するにはいくつかの技術的な課題があり、その実現は簡単ではありません。
AppleがiPhoneやiPadではFace IDの技術を確立しているものの、Mac特有の使用環境に適応するためにはさらなる改良が必要です。
まず、先にもあった通り、Face IDに必要なTrueDepthカメラや赤外線センサーをMacのディスプレイに搭載するにはスペースの問題が生じます。
薄型デザインが好まれるMacBookシリーズにおいては、こうしたセンサーを組み込むとディスプレイ部分の厚みが増してしまう可能性があるため、Appleは慎重にデザインを検討するものと考えられます。
また、iMacやMac Studioなどのデスクトップ型Macにおいても、こうしたセンサーが熱を持つ可能性があり、安定した動作を維持するためには熱処理対策も必要です。
つまり、現時点(2024年11月)では、Macへの顔認証技術の導入は現実的ではないのです。
さらに、顔認証の技術をMacに搭載することで製造コストが上がり、販売価格にも影響が及ぶ可能性があります。
新しいハードウェアを追加することは、デバイスの価格を引き上げる要因となり得るため、Appleがどのようにコストを抑えながらユーザーにとっての価値を保証するかが鍵となるでしょう。
また、同様に先の章で説明した通り、顔認証が利用できる環境をMacで確保するためには、周囲の明るさや使う角度による影響を最小限に抑えるための技術も必要。
iPhoneの場合、顔認証は適切な距離で手に持って操作できるため問題は少ないですが、Macの場合、やはり机の上で使われることが多いため、角度や距離のばらつきが認証精度に影響します。こうした実用的な側面もAppleが慎重に検討するポイントでしょう。
まとめ:Macに顔認証が搭載されるかどうかは、Appleの技術進化次第!
この記事では、Macへの顔認証導入について、その可能性や課題を詳しく解説しました。
もしMacに顔認証が搭載されれば、画面の前に座るだけでログインできる便利さや、Touch IDとの併用による高いセキュリティが実現するでしょう。
しかし、現時点ではハードウェアの設計やコスト面の課題が残っており、Appleはデザインと機能のバランスを慎重に検討していると考えられます。
Appleは常にユーザーの利便性を追求して革新を続ける企業です。今後、技術の進化によって、Macにも顔認証が搭載される日が来るかもしれません。
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